雨からの物語

心が空っぽになれる詩\(^o^)/事実は小説より奇なり

雨からの物語

朝から雨が降り続いている

規律の良いリズムで雨音を立て続ける

窓から外を眺めるとアスファルトが雨を吸い込んで色が濃くなっているのがわかる

屋根の庇からポタポタと雫が垂れる

空は雲に覆われていて晴れそうな気がしない

天気予報を確認すると昼からは降らないとある

傘を置き忘れないようにしないといけないと思う

子供の頃から傘をよく忘れてしまう

行きは雨が降っていても帰りには上がっていてその度に傘を置いてきてしまう

今もそれは変わらない

玄関の鏡に靴を履く自分の姿が映る

その動作を確認したあと傘に手を伸ばす

またこの場所に傘が戻る保証はどこにもない

公園を通る

木製のアンティーク風のベンチが雨晒しになって濡れ続けている

土の部分は泥々なのでタイルで舗装された部分を辿る

傘をさして下を向いて歩いているとすれ違う人とぶつかりそうになる

その時傘から飛んだ雫で肩の辺りが冷たかった

近くのパン屋に寄って何個かパンを買う

店の外に出ると雨が上がったように見える

しばらく空を眺めて様子を見る

パン屋の庇の下で雨宿りしているみたいになる

その時パン屋から出て来たスーツを着た男の人と目が合う

私は何も言わずにまた空を眺めていると相手の方が「雨上がりましたね」と声をかけてくる

「ええ、傘を忘れないようにしないと」と少し微笑みながら私は応える

そこで私は何かを思い出したように不器用な動作で傘立てにある自分の傘に手を伸ばす