雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

ドラマ主題歌と渋滞

この曲が嫌いだと友達は言う

車の中では大音量でCDがかかっている

俺は好きだと言うとなにか疑っているみたいだ

声がいい

独特な歌い方でJ-POPとしても違和感はない

結構ヒットしていて玄人受けもいいみたい

たぶんそういう所も嫌いなんじゃないか

アンダーグラウンドとかアウトサイダーとか気取ったヤツらと思っているんだろう

それは見当違いでお前らのそういう裏を読むような見方のほうがよっぽど気取っているんだとまでは言わない

長い車の列が続く

しばらく渋滞は解消されそうにない

運転しているのは友達の方で俺にイライラはない

音楽の趣味が合わないのがなかなかツラくはなって来るけど

昔からの馴染みだけどズレが大きくなっていく気がする

もう取り返しの付かない所まで来たのかもしれない

どっちが変わってどっちが変わらないのか

先に進むとはどういうことだろう

左側に海が見えてきて俺はそっちばかりを見ている

CDはヒットチャートの曲を並べたものが流れていてうんざりしてくる

その中で友達には似つかわしくないバンドの曲があった

そのことを問い詰めるとドラマの主題歌で好きになったと言う

そういう感じが何かじんわりとしてきて返す言葉がない

変わったような変わらないような

天気は晴れていて青空と白い雲が浮かんでいる

波は穏やかで太陽の光が反射してキラキラ光る

だから海がキレイで潮の匂いが嗅ぎたくなった俺は窓を開けて鼻からゆっくりと大きく空気を吸い込んだ