雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

ゴーストタウン

もう随分長い間走っている気がする

これからどうすればいいかわからない感じ

出口があれば出て行きたいけどそもそも入口があったのかどうかもわからない

車の中ではCDはかけっ放し

もう音楽は耳に入って来なくて廃れた背景の一部になっている

助手席に座っている友達は寝てしまった

もう明け方近くで空も明るくなり始めるけど雨が降りそうで朝日は期待出来そうにない

惰性的にタバコに手を伸ばす

もう吸いたいのかどうかはわからなくてなんとなくのタイミングで火をつける

窓は少しだけ開けていて自然と慣れたようにそこに向かって煙を吐く

車の通りはほとんどなくてノロノロと走っているとゴーストタウンを想像する

もしかしたら俺はそっちの方がうれしいかもしれない

CDを全く聴いていない事に気付いて別のCDに変える

昔日本で人気があったハードロックの洋楽を聴く

ホームタウンのアメリカでは人気がなくて日本では人気が出たのでよく日本に来ていたイメージだ

ノスタルジーという感じはなくて今よりは昔の方がマシだったというくらい

少なくともこの状況よりは

ここで気分を変えようと何故かガソリンスタンドの洗車機を試すことにした

たまたま目に入ったからだと思う

一番安い300円のコースを選ぶ

サイドミラーをたたんで洗車機が迫ってくる

激しい水流と洗剤で泡が立ち上と横からモップが出て来てクルクル回転する

車が動いているのか洗車機が動いているのかわからない変な感じがする

それは錯覚だと指摘するのはつまらないヤツだと思う

ドライヤーで水分を飛ばしてすべてが終わっても助手席の友達は寝たままでいる

車の外側はキレイになったけど中はどんよりしたままでもうこれ以上アイデアはないのでこのまま帰る事になる