雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

アイドルの選曲

高速の道中にトンネルを抜ける

対向車とすれ違う度にヘッドライトが眩しく感じる

友達がCDを替える

アイドルグループのCDで俺は不満を漏らす

それでももう一人の友達がお前にも好きな曲があっただろうと言う

確かに一曲ぐらいはマシなものがあった

他の曲がヒドすぎてその曲ならまだ聴けるという程度

それでなだめられて結局もう何も言えなくなった

夕日が沈む

そんな気分だ

もう空は暗くなっている

俺が運転している分ナビは他の二人に任せた

途中のサービスエリアでガソリンを入れる

その時間違えてトランクを開けるレバーを引いてしまった

それをわざわざ車から降りて自分で閉めた

友達は大笑いだ

俺には友達にウケたことよりも恥ずかしさのほうが勝った

ガソリンスタンドの店員は見て見ぬふりだ

もしかしたらよくあることなのかもしれない

サービスエリアから高速に合流する

ウインカーを出してミラーを確認して目視でも確認する

遠くの方からヘッドライトの光が大きく近付いて来て少し眩しいような気がして自然と顔をしかめる

さっきの汚名返上とばかりに華麗に合流してみせる

アクセルをベタ踏みするとエンジンの回転音が車内の音楽をかき消していく

一か八かの感覚でスピードを上げる

とても自然に

そして俺はうまく合流出来たと思ってそのことにホッとして車の中の音楽に耳を傾けている