雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

HERO2

少しうんざりしている

僕らは空を飛べないし瞬間移動も出来ない

これからもずっと出来ないかもしれない

ここから友達の家まで結構遠い

慣れた道だから策の講じようもない

ただ耐えていつもの道のりをしっかりと踏みしめるしかない

車の中はCDがかかっているけど静かだ

窓を開けてお互いタバコを吸っている

少し気まずい雰囲気を打破しようと話しかける

さっきテレビでヒーロー物をやってたよ

久しぶりに見た、今でもまだやってるんだ

それに対する助手席の友達の反応は驚くほど冷たい

それがどうしたんだという感じで僕は萎縮する

運転している僕をよそに友達は携帯をいじっている

左手にタバコで右手に携帯だ

まるでチンピラみたいだと思う、どうしてこんな風になったんだろうと

車の中のCDはかかっているけど誰も聴いていない

耳には入っているはずだけど間違いなく聴こえていない

友達の家の前に着くと庭先の犬が吠える

僕はそれをなだめようとおはようと声をかける

友達はそれにも反応せずにただ玄関から友達が出てくるのを恨みがましい視線で見つめ続けている