雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

生まれ変わるものたち

ここはどこだろう

信じられないほど遠い場所に来てしまったような気分だ

周りは砂漠というほどイメージした砂が風で流れるような感じじゃなくて、草や木が所々生えているような平坦な砂漠

360度地平線が見渡せるような茫漠な大地が広がっている

到底一人では攻略できそうになくて現地のガイドにコーディネートを頼んだ

例によって現地の人はおおらかで髭がもじゃもじゃで使い古したライフルを体の一部みたいに抱えている

車で走っているとこの辺りは色々な野生動物を見ることができる

別にそれが目的ではなかったけど計画を練りに練った結果がこの道だった

他の道では紛争地帯に近づくことになるし政治的な面倒は避けたかった

人間より野生動物のほうがよっぽどマシだということ

それにこのシチュエーションは滅多にないチャンスでラッキーだとも思える

しばらく走っているけどまだ動物には出会わない

周りを注意深く見渡してみてもそれらしいものは見えない

道のようなものはなくて当然舗装されているわけもないので車が大きく跳ねたりするし走っている間はずっと揺れている

見渡すかぎりの大地でただただ先に向かって走っているという感じ

何を根拠に走っているのかと疑いたくなるけどそれは分かる人には分かる勘みたいなものがあるんだろうと思う

郷に入っては郷に従えという箴言はあきらめムードで使う言葉かもしれない

日が傾いてきた

夕日がキレイだ

それは驚くほどにキレイで夕日というよりは太陽が落ちていく感じ

目の前に広がって墜落する爆撃機のように赤い炎を上げている

蜃気楼が揺れる

その間はまだ大丈夫だと思う

まだ沈まないうちは

それでもまた生まれ変わる太陽に思いを馳せながら僕たちを乗せた車は先に向かって走り続けている