雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

空港で出会うものたち

出会うことは衝撃

宇宙にいるとそう

怖いものなんて無くなる、恐るるに足らず

空港で踵をカタカタと鳴らす

こんな所にいるわけはない、RPGと一緒だ

大物を狙うなら冒険に出なければ

ポケットからタバコを出してライターで火をつけようとする

「この場所は禁煙です」

制服を着た女が目の前で睨んでいる

この空港の職員だということはひと目で分かった

それならタバコを吸える場所を教えてくれと言うと空港内は全面禁煙ですと女は言う

それはわかっていたことだけど順序どおりだと思って聞いたまでだ

素直に聞き入れてタバコを唇から離す

女はそれを見てひと安心したのか少し怒りが鎮まったように見える

女は去っていこうとするけどちょっとと声をかけて引き止める

あなたはタバコを吸わないんですかと聞く

女は黙ったまま疑わしそうに睨んでいる

眉毛の間にシワが寄って呆れているようにも見える

もしよかったらあなたの家でタバコを吸わせてもらえませんかと聞く

表情が硬直する

女は黙ったまま一言でも関わりたくないという感じで去って行く

カタカタとヒールの音が響く

その後姿を見ながら俺はもしかしたら振り返るかもしれないという少しの期待があることに誇りを感じている