雨からの物語

心が鏡にうつる詩集

急カーブ

信号で止まるとエンストする

元々ボロい車だからしょうがない

走りながらキーを回す

この勢いでいけるような気がする

友達が疑っている

誰だって最初は下手くそだと言う

そうじゃない

俺の場合は車がボロくてそれでもこのテクニックなんだと

この先いくらでも驚かしてやる

狭い田舎の道に入る

霧がかって少し雨が降っていてしかも時間は夕方前でこの天気だと気分は上がらない

前からトラックが近づいてきてクラクションを鳴らす

遠慮がない

こっちが控えめに譲れという脅しだ

面倒くさい

特に焦ることもなくその通りにしてやった

例によってタバコを片手に白髪交じりのオッサンだ

俺のテクニックに感謝しろせめて

友達は特に何も言わない

道なりに走っているとまともな二車線の道路になって少しホッとした

その先で急カーブ

これには焦った

予想以上に長いカーブでハンドルは切りっ放し

スリップして事故るかと思って覚悟したその間

結局無事で何事も無く曲がれたようなちょっと疑わしい感じ

友達も驚いて顔を見合わせてお互い思ったことは同じで俺のテクニックじゃなくてこの車がスゴかったんだとここでかなりの運を使ったようなそれでも手を合わせて頭を下げて感謝したいくらいの気持ちだった